スカイ・クロラ読了。

面白かった。
同時に読みやすかった。 ちょっと軽いとは思うけど。


以下感想。特に詳しく書かない(というか書けないw)けれど、一応ネタバレ回避。



簡単な紹介を。

物語の舞台は、ありえたかも知れないもうひとつの現代。
主人公は、思春期の姿のまま、永遠に生きることを宿命づけられた≪キルドレ≫と呼ばれる子供たち。
大人たちが作った「ショーとしての戦争」を戦うキルドレたちが、常に死を意識しつつも、今目の前にある現実を受け容れ、日々を精一杯生きる姿を描く。




自分がこういうテーマが好きだからかもしれないけど、
それだけ嗜好にマッチしてた。


とにかく、"どうしようもない やるせなさ"が良かった。


しかし、どうしてそういう状況なのか、どうしてそこから抜け出せないのか、
という具体的な事実は出てこなかった。 つまり、戦争の実態。
wikipediaなどを見ると、シリーズを通してそういう描写は無い様な事が書いてある。
これは残念。


あとは主人公の性格や行動様式が好きだったのも気持ちよく読めた理由かも。
多くを語らないが、ジョークを言える。そんなの。


自分はこういうぬるい感想しか書けないので、ネットで他の人の解釈を見て回ってみようと思う。
特に押井さんのコメントはまだ読んでいないので必読か。
各章のトップにサリンジャーの文が引用されているが、読んだことが無いのでもったいなかった。
あゝ教養が欲しい、欲しいよ。


押井さんの映像化に関してだけど、
この作品では、今まで見てきた様な長々とした台詞はナンセンスだと思う。
音の無い刹那、空気間を大事にして描いた方が、この作品には合っているのではないか。

リリース資料には、

監督は本作について、「近年培ってきた演出方法を封印する」と宣言。今回は「より娯楽性の高い作品にしなければならない」と、あえて自身は原作と距離を置き、「世界の中心で、愛をさけぶ。」(04)、「春の雪」(05)で、若者の繊細な心情を見事に表現した新鋭の脚本家・伊藤ちひろを大抜擢。押井作品に見られる長い台詞は一切無く、キルドレたちのドラマが若々しい完成で表現されている。



とある。「押井作品に見られる長い台詞は一切無く」というのは、当サイト閲覧者にとっては少々寂しいのではなかろうか(もっとも似たような宣伝文句は以前にも聞いた気がするので、実際に見てみないと信用できないという人もいるだろうが……)。

押井守最新作『スカイ・クロラ』正式発表 - 押井守 情報サイト 野良犬の塒
確かに信じられない訳だがw




何はともあれ、スクリーンで見るのが本当に楽しみだ。


それまでに、自分は何故生きるのか。何のために。

その解を見つけておきたい。





●本作とは関係無いが、自分の嗜好について分かった事がふたつ。
"退廃した社会と高度なテクノロジー" (wikipedia ウィリアム・ギブスンの項より)
つまり、Wolf's Rain 攻殻機動隊 ニューロマンサー 等のような作品が好きなのは
"やるせなさ" に行き着くのか、と。
その高度なテクノロジーを持ってしても、社会はそうあり続ける。 そこからは誰も逃れられない。
そんな感じ。


もしかしたら、この楽しみ方はごくごく一般的なのかもしれないが、文学的な常識を知らないので。。



もう一つ
登場人物を想像する時に女性像として、長い髪のキャラクタしか思いつかなかったと言うこと。
つまり長い髪が好きな人種だということかw


草薙水素も三ツ矢碧も、イメージするのはそんなのだった。